本屋ロカンタン
移転作業日誌[1月7日/後篇]
カラーボックスを1コ組み終えた段階で、御大の登場。

フロアタイル80枚です。これが死ぬほど重い(!)。4梱包なので、一個あたり20枚。これだけで成猫三匹ぶんくらいの重量(たとえは適当です)。

「置くだけフロアタイル」のデコレーティッド・ブラウン色にしました。価格もそれなりにするやつで、失敗はできないのでサンプルを発注し、悩みぬいてこれにしました。これ、木材ではなくて、フェイクなんです。PVC。撥水性に富み、傷もつきにくい。もっとクッション材ぽい感じかなと思いましたが、かなり本物に近い印象です。

裏面はこのようになっています。蜂の巣状のハニカム構造で、床面を吸着するようになっています。置くだけなので、貼りなおしがきく。シロウトにはこれが助かる。おまけに引越しの際も持って行けるというわけ。さっきのでたらめな計算でいうと、80枚で成猫12匹ぶん。めっちゃ重いですが。

置いてゆきます。もとのフローリングと縦のサイズがほぼ同じ(900ミリ)だったので、それをガイドにすれば間違いは起きない。木目もひとつずつ違います。いま、ときはフェイク=代替品の時代に入っているのかもしれません。店主はアルコールをやめて、数年前からノンアルコールビールを愛飲しておりますが、あれもフェイク=代替品です。煙草もベイプが代替している。あらゆる技術水準が高まった結果、より安価なもの、より無害なものへと、代替される時代に突入していると感じます。
私もほんとうなら本物の床材を敷きたかったのですが、やはり高額で、かつシロウトには扱いが難しい。くわえて仕上げや手入れの手間もある。その難儀なところが本物の証であり、良さでもある。無害なもの、安価なものが一概によいわけではない。けれど、店主のような「持たざるもの」は安価で無害な代替品を選ばざるをえない、のかもしれません。

話が逸れましたね。順調に敷いています。これ、ちなみに切るのも簡単。カッターで二回切り込みを入れると、パキッときれいに割れます。すぐれたフェイクだなア。

80枚敷いてみました。

きょうの仕事の終点。うん、絶妙に足りない。計算ずくではあったんですが、20枚を追加で発注。端々がキマってないので、空間が一変した、という全体性の印象はまだありません。

カラーボックス組み立てマラソンも4コを完走。配置してみました。うん、われながら配色がとても良い。モノトーンなので間違えようがないといえばそうだけど、平台=ボックスを白にしたことで、全体に軽さが出た感じ。暗色を置くと重厚すぎる。あとは照明でずいぶん変わると思います。ここに木材でメインの棚をつくってゆきます。
[店主・萩野亮]